PEOPLE
工学で“音”のその先へ。
4年間の学びを親子で振り返る。

落合優太さん 落合朋美さん 親子
1期生親子対談
「自分の夢から一番かけ離れていた大学」でつかんだ、落合優太の未来への道しるべ。
漠然と描いていた夢を一歩一歩引き寄せて…
優太:俺は子どもの時からものづくりの片鱗は全くなくて、三条市立大学を受験したのは「国公立だった」から。開学初年度で受験倍率も高かったし、高校の時はずっとギターを弾いてる生活だったから、絶対不合格だと思ってたんだよね。受かったのは本当にラッキーで。
母:私立の理系で県外の大学にも受かっていたけど、結局、ここへ。どうして他の私大も受験したのと訊いたら、あの大学ならこういうふうな将来を……と話してくれたでしょう。色々と考えて受けていたんだな、と安心したよ。
優太:私立で受けたのは建築学科とか、電気電子工学科とか。建築なら音響建築に進みたかったし、電気電子ならオーディオ系に。最終的には音楽方面にいければな、と漠然と考えてた。でも三条市立大学に入学が決まった時、先は見えていなくて。なんならこの大学が一番、自分の夢からかけ離れている気がしてた。
母:優太の音楽好きは、若い頃に楽器演奏を趣味にしていたお父さんの影響よね。幼稚園児だった優太に、子ども用のエレキギターを買ってくれた。中学生になってから本格的に取り組み始めて、大学では軽音楽部を作り、ロックバンドで活動を始めたでしょう。
優太:「落合サークル」ね(笑)。開学したての1期生で、大学に楽器や機材がなくて。つてを頼って「何とか安くしてください‼」とお願いしまくって、何十万円も値引してもらった。ライブをする時も、会場を押さえるのに自分で動き回って、積極性が学べたし、何でもチャレンジ。大変だったけど、音楽の専門知識がある大人とたくさん話ができたのも楽しかった。サークルメンバーは40人になって部に昇格し、部費も上がったし、奨学金も3年間、満額でもらえることができた。俺、この学校にお金を一番使わせている自信があるな、絶対(笑)。

開学まもないキャンパスでは先生が先輩の代わりに
母:大学生になって独り暮らしを始めた頃は心配もしたけど、夜の10時まで大学に残って勉強しているなんて聞くと、近い所に部屋を借りたのは正解だったと思う。大きい大学に比べると職員の方もフレンドリーで、後援会などの用で大学に来ると「落合くん、お弁当を持って来ていますよ」なんて様子を聞かせてくれたり。ちゃんと自炊していて、感心してたんだ。ほら、1年生の時の授業で、三条マルシェで学生たちで企画・販売までやったことがあったでしょう。先生たちとの距離が近いぶん、4年間で色んな経験をさせてもらえたんじゃないかな。
優太:課外活動か。あの時は肉まんを売ったね(笑)。この大学は、先生と学生の距離が密なんだよね。1期生ということもあるんだろうけど、仲のいい先生と飲みに行ったり、スノボやキャンプをしたり。先輩がいないぶん、若い先生が親しく接してくれたし、社長と話す機会を設けてくれたりして、すごく可愛がってくれた。実は、俺に大学院進学を勧めてくれたのも研究室の先生で。その先生がいなかったら大学院にもいかなかったと思う。

新たなステージでStep up 成長した姿を見てもらいたい
母:ついこの間入学したのに、もう卒業とは信じられないね。本当にあっという間の4年間。三条市立大学は私が通っていた大学の校舎や卒研の研究室とは雲泥の差で、設備も最新の物が沢山あるし、研究室内も広々。私も3Dプリンターを一度でいいから体験してみたかったな。それが少し心残り(笑)。
優太:2年生、3年生の時の産学連携実習を通して身をもって感じたのは、「何でも積極的にやってみればいい」ということ。先生のアドバイスもあって、宇都宮大学の大学院にも進むことができた。この春からは情報電気電子システム工学プログラムを学び、臨場感のある音の研究をしたい。自分のイメージとしてはSonyのサウンドバーとか映画みたいな音響制作につながればいいかな。でも大学院では、また違う方向との出会いがあるかもしれないし、それも楽しみ。
母:オーディオ好きなお父さんのほうが優太の進路を聞いて盛り上がって、自分が勉強したいくらいみたい(笑)。帰省の時には、大学院での学びをお父さんと話してほしいな。
優太:今は、快く「やりたいように進め」と言ってくれたお父さんのためにも、自分の好きなことを仕事にしたいと思ってる。三条市立大学にはその糸口をもらえたことにとても感謝しているし、次の2年間また楽しみながらステップアップできたらいいな。成長した姿を先生に見せられるように、これからも頑張ります。

プロフィール
落合優太さん
2002年、五泉市生まれ。新津高校卒業。2021年、1期生として入学。軽音楽を楽しむ「落合サークル」主宰。2025年春、大学を卒業し、宇都宮大学大学院へ進学。情報電気電子システム工学プログラムで「音」の研究に邁進する。