PEOPLE

この世にない便利なモノを生み出す― 産学連携実習インタビュー

田中心羽さん

田中心羽さん

2023年入学

実習先:株式会社マルト長谷川工作所(三条市)

量産化を見据えた実習課題に驚き

自分は小学校1年生のころから、プラモデル作りに親しんできました。昔から、手先を動かして何かを作ることが好き。自分に合っているのかなと思います。

三条市立大学の2年次の実習(産学連携実習Ⅰ)では、金属鋳造業、包丁製造業、プラモデル用ニッパーの開発製造業の3社に伺いました。1社につき2週間の実習でしたが、社員と同じ扱いをしてくれる企業もあり、社会を知る一歩になりました。同時にわずか2週間で人間関係をつくるのは難しく、3社3様の色々な環境に入るので緊張感もありました。

一方で、プラモデル用ニッパーの製造現場を見させてもらったことで、ニッパーやペンチなど、挟む・掴む・切る系の工具をもっと深く知りたくなりました。そこで3年次の産学連携実習Ⅱは、はさみもの工具で著名な株式会社マルト長谷川工作所へ。そこでの課題がなんと、1からの商品開発だったんです。「他社製品と明らかに違うもの、付加価値のあるものをつくって」と言われ、はじめは自分にできるのかと思いましたし、「成果を出さないといけない」とプレッシャーにもなりました。でも不安は一旦置いてやり始めたら、メンターの皆さんたちから、たくさんのアドバイスという助け舟が。また一発で仕上げるのではなく、修正を重ねて良くしていく、という感じで進めていったら、意外にも「量産・権利化」なども期待できるレベルまで達成できました。

メンターを担当した中村さん(左)と実習中の田中さん(右・取材当時3年)

大学での学びが強める信頼感

新商品のテーマが「ある複雑な機構を加えた製品」だったので、独特の形状になることが予想されました。でも大学では色んな機構についての学びがあったので、慌てることなく取り組めました。授業の中で得た知識を活かしながら3Dプリンタで試作し、実際に動かしては「これじゃない」と、また違うものを採用したり。忘れていたものも、図などを見て「ああ、こういうのもやったな」と思い出し、おさらいにもなりました。

メンターの中村さんから、「知識や技術に関して全くのゼロベースではないので、信頼もあった」と言われたんです。大学では1年次~2年次前半に座学で知識を蓄え、2年次の後半から多彩な工作機器を使ったものづくりや研究ができます。その知識や技術を産学連携実習という現場で、確かなものとして定着させる――三条市立大学のカリキュラムの狙いが、この実習を通し、とても理解できました。 正直なことをいうと、モデリングに関して、自分はCADがうまく使えるほうだと自信があったんです。でもマルト長谷川工作所にはもっと優れた人がたくさんいて、自分はまだまだだなと思い知らされました(笑)。プロの現場では授業で習っていないこともやるので、知っている人に聞いたり、自分で調べたり。CADのスキルは実習前より、確実に上がったと思います。

この世にない便利なモノを生み出す

最終的に、取り組んだ結果が何点になったのか? 大学なら結果を数値で表してくれますが、産学連携実習は時間が限られているので、つくったモノのその後の評価や評判など、間近で見聞きできないのは、ちょっと残念ですね。それでも自分が考えた機構を3Dプリンタで出力し、「いいんじゃない」とOKを出された時には、成果として認めてもらえて嬉しかったです。

そうそう、産学連携実習では3Dプリンタにぐっと興味が湧いたんです。正規の商品とはもちろん素材は違いますが、3Dプリンタだとテスト版の機構をすぐにつくって試せるので、「これは自分の家にも欲しい!」と(笑)。聞くところによると機械だけなら数万円くらいで、手が届きそうな値段だなぁって。ちょっとしたアイデア商品とか、自分が欲しい形のプラモデルのパーツをつくったりとか、趣味の部分でも活躍しそう。ぜひ、お金を貯めて買ってみたいですね。

始まる前は「長いな」という印象の16週間の産学連携実習。心配の一つだった人間関係も、面倒見のいい社員の皆さんのおかげで楽しく過ごすことができ、それもあって思ったより短く感じました。プロの現場で改めて思ったことは、「この世にないもの、便利なものを作って社会貢献していきたい」な、と。いいじゃないですか、全く存在しないものを作って喜ばれるのは。どこかの分野で「便利になった」という声を聞けたなら、嬉しいだろうな。

三条市立大学の産学連携実習については、こちら

Company Profile

株式会社マルト長谷川工作所(三条市)

1924(大正13)年創業。ニッパー、ペンチ、プライヤなど、はさみもの工具のトップメーカー。馬のマークのKEIBAブランドは世界30カ国で取引される。創業理念は「物づくりは人づくり、人づくりは物づくり」。

その他の記事

  • #在学生

    新井さらさん

    2023年入学

    ものづくりの企画開発を夢見て― 産学連携実習インタビュー

    新井さらさん

資料請求資料請求

ページ先頭へページ先頭へ