PEOPLE
技術開発を通して社会課題を解決する
田代 昌彦 准教授
技術社会評価研究室
研究内容を教えてください。
これまで医療イノベーションと社会の関係性について研究してきました。一例として心筋梗塞を予防する薬として開発された成分が、近年その効果が思わしくないと判明しました。このような新しい発見があった時に、日本とアメリカでは全く異なる対応(治療方針の変更)がとられました。この日米で異なる対応がとられた社会背景などを調べて論文にしました。今後は燕三条地域の機械工業と社会の関係性について研究する予定です。

社会に寄り添う技術開発
新しい技術を生み出すことは素晴らしいことです。しかし、その新技術が誰にも使われないとすれば、それは悲しいことです。では、社会から受け入れられるものとはなんでしょうか。例えば自動運転の普及にはどのようなルールや社会的要望があるのかを、研究する私たちが事前に理解することが重要です。皆が便利で安心な社会が実現できるよう、社会に寄り添った技術開発を目指しています。
研究室はどんな様子ですか。
2025年度は、4名(男女2名ずつ)の学生が本研究室に所属しました。配属後に研究テーマを話し合い、それから各自研究をスタートさせます。前期のゼミでは、「技術」と「経営」をつなぐ分野(技術経営・イノベーション)について学びます。教科書や論文を読みながら、「新しい技術はどのように社会に広がるのか」「企業はどのように新商品を生み出すのか」といったテーマを考え、知識を深めていきます。後期になると、卒業研究が本格化してきます。ゼミでは研究の進み具合を発表し、全員で意見を出し合います。また、実際の企業の事例を取り上げ、「企業はどんな社会課題に向き合い、どのように解決してきたのか」を考える演習も行っています。学生の研究テーマは、企業の既存技術を多方面に活用する新商品開発プロジェクト(市場調査も実施)、医用スマートグラスの開発(他研究室との共同研究)、OECD加盟国での生成AIの普及と発展など多岐にわたっています。このように、本研究室では「ものづくり」と「経営学」の両方に取り組むことができる点が大きな特徴です。技術をつくるだけでなく、「どうすれば社会で活かせるか」まで考える力を養います。研究室の雰囲気は落ち着いており、イベントは多くありませんが、昨年度は研究室メンバーで関西万博を訪れ、最先端技術や未来社会について学びました。

技術社会評価研究室はどんな学生におすすめですか?
私は講義で「経営学とは、技術やサービスを通じて人を幸せにして、自分も幸せになることを学ぶ学問だ」と伝えています。経営学を学ぶことで、人生は豊かになると私は強く信じています。工学だけではなく経営学を学ぶことにも興味がある、工学と経営学の両方の知識を融合させて卒業論文を作成する意欲がある学生に、本研究室に来てほしいと思います。
プロフィール
田代 昌彦 准教授
高等学校での生物学教育、農林水産省所管研究機関での研究活動を経て、製薬企業で研究開発および国際営業業務等に従事した。これら産官学の実務を日本及び海外で経験した。製薬企業勤務時、理工系の専門知のみでは解決し得ない経営上の諸課題に直面したことを契機に、40代後半より経営学を修めた。博士(経営学)、修士(農学)。2024年4月より現職。
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