令和5年4月3日、第3期生となる86名を迎え、令和5年度三条市立大学入学式を執り行いました。

入学式の様子

学長式辞

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。

全国各地から、86名もの皆様をお迎えできたことを大変嬉しく思います。本学を代表して、皆さんを歓迎します。
また、この日まで深い献身と愛をもって皆さんを育ててくださったご家族の皆様、ここまでお導きくださった学校の先生方に心から感謝いたします。

3期生のみなさん、今日から、ここ三条市立大学が、皆さんの夢と希望を叶えるためのホームグラウンドとなります。

本学が立地する三条市の人口は10万人弱です。この規模の地方都市が公立大学を新設するのは、全国でもあまり例がありません。

この大学は、社会の持続的な発展に貢献できる人材を、この地でしか成し得ない革新的な学修方法で育成するというオンリーワンの価値を有しています。だからこそ、三条市立大学はこの地に開学し、今日、みなさんをお迎えするに至ったのです。

三条市を始めとするこの燕三条地域は、様々な優れた技術や技能を有する日本屈指の「人と企業」の集積地です。
開学3年目となる現在、本学は、この地域を中心とした実に多種多様な139社の企業と産学連携教育のパートナーシップ協定を結んでいます。
この地域全体をキャンパスとし、「人と企業」の経験を学びに変えていく実学志向のものづくり教育カリキュラムは本学の誇りです。
この唯一無二のカリキュラムで学ぶからこそ、みなさんはイノベーションを生み出し、次世代の高度なものづくりをリードする人材「創造性豊かなテクノロジスト」へと成長できるのです。

今日からの本学での4年間は、皆さんにとって、ご自分の将来へテイクオフするための重要な期間になります。 そこで、節目のこの日に私から、皆さんへ3つのアドバイスをしたいと思います。

一つ目は、基礎的な学問の知識を可能な限り広く、そして、深く取得してください。

私たちが見る建物の高さの違いは、陸上に見えている部分ではなく、見えていない地下の基礎がどれだけ深くて強いかが関係しています。今の新しいパラダイムでは、新しい発見や発明の大部分は、単一の学問分野ではなく、複数の分野の境界領域で、学問の垣根を越えた知識から生み出されています。

本学のカリキュラムは、イノベーションのコアとなる工学技術の知識と付加価値を見出すマネージメントつまり経営学の知識をバランスよく取得できるようにデザインされています。

Apple社のスティーブ・ジョブズ氏は、かつて、文系の知識がイノベーションの原動力であると述べました。従来、自然科学分野は左脳を養い、人文・社会科学は右脳を養ってきましたが、本学のカリキュラムは、両方の脳を積極的に刺激するフルブレイン教育だと思っています。

本学での垣根のない学際的な環境で、知的スペクトルを無限に広げていくことができるでしょう。

二つ目に、国や地域を越えて考え、行動するグローバルなリーダーを目指してください。

興味や関心のある分野を探求し、知識とスキル、価値ある人間関係を構築して、その分野で尊敬されるリーダーになることを目指してほしいと思います。

“Leaders Leading into the Next Frontier”

皆さんには、リーダーシップを発揮して頂き、イノベーションを通じて今の社会を牽引し、次世代へと導く存在となってくれることを期待しています。

今年度から、グローバルリーダーシップを養成するための特別講座をまさに始動いたします。イマジネーション(想像力)とクリエティビティ(創造性)、高いコミュニケーション能力と人や自然を思いやる精神を備えたビジネスリーダーを養成しますので、積極果敢に今から目指してください。

三つ目として、時間を管理するスキルを身につけてください。

人生とは時間そのものです。時間を制するものが人生を制するとも言えます。

皆さんの将来は、このキャンパスでどのような夢を描き、どのように準備するかにかかっています。今日という日がその第一歩目であり、私の経験から、結果の99%はスタート時の良し悪しが影響してきます。準備をはじめる時間軸において、時計の針は既に動き出しているのです。

皆さんが大空に飛び立つまで、本学の教職員一同、貴重な4年間に丁寧に寄り添い、情熱を持って全力で支えていきます。

来賓のみなさま、本日はご多用の中ご臨席を賜りまして誠にありがとうございます。

実習や学生の課外活動等を受け入れていただいております産業界のみなさま、加えて三条市および関係諸機関のみなさまにおかれましても、本日の新入生が新たな時代のものづくりを担う「創造性豊かなテクノロジスト」として立派に成長できますよう、一層のご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

最後に、入学生の皆さんが三条市立大学の三期生としての誇りを持ち、希望を持って学業に励み、大きく飛躍されることを祈念して、式辞といたします。

令和5年4月3日 
三条市立大学 学長 アハメド シャハリアル