令和6年4月4日、第4期生となる93名を迎え、令和6年度三条市立大学入学式を執り行いました。

入学式の様子

学長式辞

新入生の皆さん、
この度は、ご入学おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
全国各地から、93名の皆様を本学の第4期生としてお迎えできることをとても嬉しく思います。
この日まで、深い愛情をもって皆さんを献身的に育ててくださったご家族の皆様、ここまでお導きくださった学校の先生方に心から感謝いたします。
今日から、ここ三条市立大学が、皆さんの出発地点になります。それぞれが持つ人生の目標にたどり着くための「自分づくり」をする場所となります。夢と希望を胸にお集まりいただいた皆さんには、この大学で多くのことを経験し、知識とスキルを確かに身につけ、価値ある「自分づくり」をしていただきたいと思います。

本学が立地するこの燕三条地域は、様々な優れた技術や技能を有する日本屈指の「ものづくり企業」の集積地です。開学4年目となる現在、本学は、実に多種多様な150社以上の企業と産学連携による教育のパートナーシップを結んでいます。地域全体をキャンパスとして、この地でしか成し得ない「実学志向の学修」を展開しています。理論的な知識の取得に加え、人と企業の経験を学びに変えていくものづくりの実践は、「イノベーティブ テクノロジスト」を育成するための革新的な学びであると言えるでしょう。本学の唯一無二の取り組みは、未来の社会が求めるイノベーションを創出する高度なものづくり人材の育成を可能にします。そして、新しいイノベーションの創出こそが地域のサスティナビリティに貢献すると強く信じています。
ものづくりの分野でイノベーションを創出するには、クリエティビティやイマジネーションだけでなく、工学技術に関する知識などのハードスキルと、それらを生かすマネージメントなどのソフトスキルが備わっている必要があります。そこで、節目のこの日に私から、皆さんに3つのアドバイスをしたいと思います。

一つ目は、基礎的な知識を可能な限り広く、そして複合的に、取得してください。今日私たちが目にするイノベーティブな発見や発明のほとんどが、複数の技術分野の垣根を越えた、知識と知識の融合から生み出されています。これを踏まえ、本学のカリキュラムは、学際的に学ぶ工学の科目と実学を強く意識したマネージメント科目とをバランスよく取得できるようにデザインされています。さらに、今年から始まる4年次の卒業研究においてもこういった複合領域での研究が実施されることになっており、その成果はイノベーションの種になっていくことでしょう。

二つ目は、日々の学生生活に「トキメキ」を感じられるようなことを取り入れることです。
これまでの経験から、創造的な思考を生み出す学問には、「トキメキ」が必要だと感じています。「トキメキ」とは、何か新しいことに出会ったり、興味深いことに関わったりしたときに感じる興奮、好奇心や喜びの感情のことです。この興奮や好奇心の感情は、新しい知識やスキルを取得するための動機となります。皆さん一人ひとりの才能や情熱を活かす機会が増えることで、やりがいを感じて、日々成長し、新しいアイデアや課題の解決策がひらめく、創造的な思考が刺激されるのです。「トキメキ」から得られる幸福感、創造性は、イノベーションを生み出す核心的な要素として社会の発展に直接的に寄与すると私は思います。

三つ目は、「不易流行」の考え方を重要視して学びを整理することです。
松尾芭蕉の俳諧の心得をまとめた「去来抄」に、「不易(ふえき)を知らざれば基(もとい)立ちがたく、流行を知らざれば風(ふう)新(あらた)ならず」と記されています。
不易とは、普遍的なもの、また、変化してはならない価値観のことで、変化すると基礎が大きく揺らいでしまいます。一方、流行とは変化するもののことで、恐れることなく取り入れていかないと価値を失ってしまいます。
移り変わりの激しい時代、流行ばかりに視線を向けてしまいがちですが、究極のエンジニアリングとは基礎や本質を変えることなく、新しいものを次々と取り入れていくことだと思います。皆さんの4年間の学びでも、普遍的な価値を持つ知識やスキルと、流行を取り入れてこそ価値を見出される知識やスキルとの、両方の学修があります。それらの違いを理解したうえで、修得し、競争力のあるOnly Oneの人材になっていただきたいと思います。
皆さんが大空に飛び立つまで、本学の教職員一同、貴重な4年間に寄り添い、情熱を持って全力で支えていきます。
最後に、皆さんが三条市立大学の第4期生としての誇りを持ち、希望を持って学業に励むことを祈念して、式辞といたします。

令和6年4月4日
三条市立大学 学長 アハメド シャハリアル

入学生宣誓

春の息吹が感じられる今日というよき日に、私たちは三条市立大学に入学いたします。本日は私たちのために、このような式を挙行していただき誠にありがとうございます。新入生を代表してお礼申し上げます。

これから始まる大学生活に不安もありますが、長かった受験生としての日々を乗り越え、三条市立大学の学生として学べることに喜びと期待を胸にしています。

新型コロナウイルスによって混乱した社会の情勢も落ち着きを見せはじめ、世界が大きく動き始めたいま、私たちは今までより実践的に多くのことを学ぶ必要があると考えています。私は、ただ机に向かって勉強するのみでなく、実際に見て、聞いて、体験することによって、人と対話する力や即戦力となる技術、自ら考え行動する力を身に着けたいです。

三条市立大学には、産学連帯実習があります。実習を通して実際に企業の方々と関わることで多くの知識や技術が学べることを期待しています。また、学内だけでなく、学外でも多くのことに挑戦し、自ら学ぶ姿勢を忘れずに日常生活を送るよう努力していきます。そして、燕三条に、日本に、世界に貢献できる人間になりたいです。

コロナ禍を経て、世界は大きく変化しました。そしてこれからも変化していくと思います。そんな変化し続ける世界に屈することなく挑戦し、想像力を発揮して活躍できる人材になるために、教職員の皆様、先輩方、保護者の皆様、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

最後に、私たちが入学すると三条市立大学には 1 年生から 4 年生が初めて揃うことになります。3年前から始まった三条市立大学の歴史を紡ぐものとしてふさわしいと思われるよう、実りある学生生活を送ることをここに誓い、宣誓の言葉といたします。

令和6年4月4日
入学生代表 霜鳥 結菜